Nature誌のN&V欄に記事を執筆

 
 Nature誌はイギリスの総合科学雑誌で、高いインパクトのある研究論文が掲載されることで知られています。このたび同誌に掲載された、地球マントルの地震波の減衰の原因に関する研究成果についての解説記事が、GRCの入舩徹男センター長と大内智弘講師により執筆され、同誌のNews & Views欄に掲載されました。
 Nature誌では、同誌に掲載された論文を中心に、注目すべき新しい研究に対して、関連分野の専門家に解説記事の執筆を依頼しています。入舩GRCセンター長は、同誌編集委員から、オーストラリア国立大学の研究グループによる最新の研究に対しての解説記事の執筆を依頼されました。大内講師とともにこの研究の重要性と問題点に関する原稿を執筆し、その記事が同誌3月15日号のNews & Viewsにおいて掲載されました。
 対象とした論文では、プレートの下のマントル(アセノスフィア)の地震波の減衰に見られる“柔らかさ”(非弾性的性質)が、従来の主要な説である水の影響ではなく、酸素雰囲気(酸化的な状態)によるものと結論づけています。この結果は、マントルのダイナミクスや地震の発生メカニズム、また地球深部における水の存在や循環にも、重要な影響を及ぼす可能性があります。
 GRCでは大内講師らを中心に、GRC設置の大型高温高圧変形装置(MADONNA-1500)を用い、マントルの主要構成物質であるかんらん石のマントルの高温・高圧力下での流動や破壊、またそれらに対する水の影響などの研究にも取り組んでいます。最近もNature誌の姉妹誌であるNature Geoscience誌に重要な成果を発表するなど、上記の研究と関連した先端的研究を推進しています。

マントルの主要岩石であるかんらん岩(岩石試料は井上徹・GRC兼務教授提供)

【参考HP】
当該記事(Nature News & Views)

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