高圧合成セラミックスの割れにくさの新しいメカニズムを提案(10/9)

GRCでは,ナノ多結晶ダイヤモンド(NPD = ヒメダイヤ)に続き,高温高圧合成技術を用いた新物質,ナノ多結晶スティショバイト(NPS)の合成を2012年に発表しました(参考記事はこちら)。高温高圧下で合成したNPSなどのナノ多結晶セラミックスは,硬い(高硬度)上に割れにくい(高靱性)という従来の常識を覆す性質を持っています。GRCらの研究グループは,このような「スーパーセラミックス」の割れにくさを説明する,新しいメカニズムを提案しました。
 本研究は,西山宣正ドイツ放射光実験施設研究員(前GRC准教授)を中心に,大藤弘明GRC准教授,入舩徹男同教授,松下正史愛媛大学工学部講師,高橋学同教授,および科学技術振興機構(JST),東京工業大学,物質・材料研究機構,高輝度光科学研究センターなどの研究者からなる国際共同研究チームにより,JSTのさきがけプログラム「新物質科学と元素戦略」の支援を得て行われました。研究チームでは,NPSの高温高圧合成,透過電子顕微鏡観察,放射光X線分析,硬度測定などを行いました。その結果,NPSの破断に伴うアモルファス(非晶質)シリカの生成が割れにくさの要因であると結論しました。このように,有用物質の新規合成に加え,その特徴的な物性がなぜ生じるのかを明らかにすることは,さらなる新規物質の探査や産業応用の上で重要です。
 GRCでは,地球深部科学の先端的研究とともに,工学部・理学部の教員との共同研究により,超高圧を利用した新しい物質科学の創成を目指しており,今回の成果はその一つの表れといえます。

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本研究成果は,分野を越えて重要な研究成果に対し,迅速な発表を目的として2011年にネイチャー出版(英)により創刊された,電子版ジャーナル「サイエンティフィックレポート」誌の10月9日付で公開されています。

Nishiyama, N., Wakai, F., Ohfuji, H. et al., Fracture-induced amorphization of polycrystalline SiO2 stishovite: apotential platform for toughening in ceramics, Scientific Reports, 4, doi:10.1038/srep06558.

<参考HP>
ドイツ放射光実験施設(DESY)
DESYでの本件紹介
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