ヒメダイヤ利用高圧X線吸収による新たな成果(5/30)

 地球深部ダイナミクス研究センター(GRC)と、フランス原子力庁・ケンブリッジ大学・ヨーロッパ放射光実験施設(ESRF)らの国際共同研究チームは、希ガス元素であるキセノン(Xe)の酸化物の超高圧下での生成を確認し、ネイチャー出版のNature Chemistry誌5月30日号に発表しました。

ヒメダイヤ製のダイヤモンドアンビル超高圧装置用アンビル

ヒメダイヤ製のダイヤモンドアンビル超高圧装置用アンビル

 キセノンなどの希ガスは、常圧下では酸素などと反応しにくい不活性ガスとして知られています。フランス原子力庁のAgnes Dewaele研究員やESRFのSakura Pascarelli研究員らの研究グループは、入舩徹男GRCセンター長らにより開発されたヒメダイヤを用いたダイヤモンドアンビル型超高圧装置により、キセノンと酸素の反応性を高圧力下で調べました。この結果、100万気圧以上の超高圧下で、キセノンがXe3O2やXe2O5などの酸化物に変化することを明らかにしました。このような酸化物が安定に存在することは理論的に予測されていましたが、実験により実際に確認されたのは初めてです。
 研究に用いられた高圧下でのX線吸収スペクトル法(XAS)は、単結晶ダイヤモンドを用いた従来の実験では、単結晶に由来するノイズのため得られたデータの精密解析が困難でした。ヒメダイヤは多結晶体であることから、このようなノイズが発生せず、XASを用いた様々な元素の高圧下での酸化状態などの分析が可能になりました。ESRFの放射光ビームラインは世界でも最も高圧下でのXAS実験を行うのに適しており、これとヒメダイヤを組み合わせることにより、超高圧を利用した化学や物理学の分野で新たな研究が進展しています。GRCでは2015年にESRFと学術交流協定を締結し、地球深部科学に加えてこれらの分野における国際共同研究も強力に推進しています。


【発表論文】
Agnès Dewaele, Nicholas Worth, Chris J. Pickard, Richard J. Needs, Sakura Pascarelli, Olivier Mathon, Mohamed Mezouar and Tetsuo Irifune, Synthesis and stability of xenon oxides Xe2O5 and Xe3O2 under pressure, Nature Chemistry, doi: 10.1038/NCHEM.2528, 2016.


【参考HP】
論文HP http://www.nature.com/nchem/journal/vaop/ncurrent/full/nchem.2528.html
Nature Chemistry http://www.nature.com/nchem/index.html

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