評価委員 B

1. 目的・目標
 地球深部ダイナミクスの研究という明確な目標を設定し、外部にもきわめて分かり易い説得力のある説明をしている。 またニュースレターを定期的に発行し、新たな進展の報告や今後の目標等を積極的に発信している様子も高く評価される。

2. 組織
 教員スタッフに関しては、目的に沿った人員集めに成功していると思われ、さらなる拡大をはかることは、かえって運営の効率を 低下させる等の弊害が出てくる懸念があろう。ただ現状では研究内容における理学部系教員と工学部系教員との連携が必ずしも充分には見られず、それぞれの特色をうまく生かした連携ができれば、より効果的な組織になると思われる。またこれだけ設備が充実してくると、その維持管理に教員が忙殺されるのは、サイエンスのアウトプットを低下させる危険性が大きく、何らかの形で技術スタッフの支援を受けられる方策を真剣に考えるべき時期であろう。

3. 研究活動
 センター設立の目的に沿った研究活動をさまざまな観点から推進した結果、高圧地球科学、地震学、高圧物質科学いずれの面でも、国際的に第一級の成果が数多く生み出されており、きわめて高く評価される。また、新たな研究手法の導入も積極的に行っており、今後のさらなる発展が期待される。ただすでに、現在の人員でカバーするのは容易でない程度に戦線が拡大している印象があり、今後は研究方向の舵取りやある場合には絞り込みなどが一層重要となろう。またこれだけの設備が整えば、それを有効に生かした 共同研究をより重視する方向に発展させることも一案であろう。

4. 教育活動
 通常の講義だけでは得られない、研究のフロンティアを体験させることによる学生教育がうまくいっている様子に大変深い印象を受けた。 今後もこのGRCならではの特色を生かした教育活動がより一層うまくいくように、学内の協力も得るよう努力すべきであろう。

5. 社会貢献と連携
 センターの基本的目的は全くの基礎科学であるが、マスコミ等を通した多様な啓蒙活動も積極的に展開しており、科学の啓蒙といった社会貢献の面からも高く評価される。また従来大学の実験室でしか用いられなかった10GPaを越す超高圧高温実験技術を民間会社に伝えて新物質合成に役立てようという試みは、今までに全くなかったことであり、高圧技術の普及や民間との連携といった面からも高く評価される。

6. 施設・設備
 研究目的の新しい展開に沿った第一級の機器を揃え、当面は人員に較べて充分過ぎるくらいのレベルにあると思われる。 ただ今まではいくつかの大きなプロジェクト研究が認められたおかげでこのような設備導入が可能になったが、今後は単なる維持管理を目的としたプロポーザルではこれらの装置を維持するのに必要な経費を獲得することは容易でなく、必要以上の戦線拡大を避けつつ、現有装置を良い状態に保持して成果を挙げ続けられるかが問題となろう。

7. 管理運営および点検改善
 現状の運営形態は、人員数に即した効率的なものと思われ、特段の問題は無いと思われる。ただセンター長に過重の負担がかかり続けている懸念があり、何らかの形での業務分担等も考えるべきであろう。 

8. 総評およびご提言
(自由にご記入ください。GRC全体の評価以外に、各グループ [超高圧、物性測定、地震、数値シミュレーション] および個人に対する評価・提言を含めていただいても結構です)
 GRCは、一般的には地方大学で不利といわれる状況をうまく利点に転化し、きわめて効率的な運営で、国際的にも第一級と評価される高い研究成果を挙げ続けている組織となっている。これもセンター長をはじめとした関係者の大きな努力と、学内における協力のたまものであろう。基礎研究を目的とした研究機関は国内外に数多くあるが、特に国内ではGRC規模のものでこれだけの成果を挙げているところはほとんど見あたらない。大きな研究機関とは当然運営方法や研究の展開のしかたも異なって当然であり、現センター長の今までの運営方針は、センターの置かれた状況を的確に捉えた当を得たものと思われる。ただ設立以来今まで5年間、いわば無我夢中で 走ってきた感もあり、研究の一番の原動力が研究者個々人のモチベーションであることから、今後もそれを高いレベルに維持することはそれほど容易ではないであろう。人員等からきわめて難しいと思われるが、何らかの充電期間を取る方策などを大胆に考えてはどうだろう。今後も愛媛大に設置されているという利点をうまく生かしつつ、他大学の手本になる特色ある研究センターとして、発展されることを期待したい。





      
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