FIBによるDAC合成試料の薄膜作成

 
 学術創成研究費の設備備品として平成15年度9月に導入された収束イオンビーム(FIB)加工装置と、試料取り出し用マニピュレーターの設置と立ち上げが順調にすすみ、ダイヤモンドセル(DAC)による超高圧合成試料などの透過電子顕微鏡(TEM)観察用薄膜加工が可能になりました。地球科学分野の研究機関への同装置の導入は我が国で初めて、またFIBがDAC合成試料の加工に用いられたのも、世界で初めての試みと思われ、レクチャーのためGRCを訪問したDACの先駆的研究者Mao博士も強い関心を示していました。  
 写真のような10×5ミクロン・厚さ100nm程度の TEM用試料が、微小試料の任意の位置から切り出すことができ、少なからぬ温度・圧力勾配の存在するDAC合成試料観察に大きな威力を発揮しています。また今後100GPa発生をめざし試料のダウンサイズ化を視野にいれているマルチアンビル合成試料のTEM観察や、合成ナノダイヤモンド多結晶体の加工にも利用できそうです。詳細は本GRCニュースレターの装置紹介を参考ください。

         

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