地球深部ダイナミクス研究センター(GRC)の大藤弘明助教は、平成23年9月9日〜11日茨城大学でおこなわれた2011年日本鉱物科学会年会・総会において、同学会研究奨励賞が授与され、受賞記念講演をおこないました。研究奨励賞は鉱物科学分野において顕著な業績を上げた、37歳以下の若手研究者2名以内に授与されます。今回の受賞は、大藤GRC助教による透過型電子顕微鏡分析技術を用いた、鉱物の微細組織形成過程の解明や、高圧物質科学への応用に関する一連の研究が高く評価されたものです。また、同学会の論文賞2件のうち1件に、GRCで研究をすすめている西真之日本学術振興会研究員(PD)による、高温高圧下での鉱物相転移の反応速度に関する論文が選出され、同時に表彰されました。



  一方、鉱物科学会と同時開催された、日本地質学会第118回学術大会において、本年3月末までGRCで5年間、研究機関研究員・COE研究員・COE助教として研究に従事した、河野義生カーネギー研究所研究員(米国先進放射光実験施設・HP-CAT)が、同学会の柵山雅則賞を受賞しました。同賞は、地質学分野で優れた業績をあげた37歳以下の若手研究者に授与され、本年度は1名のみが選出されました。今回の受賞は、河野前COE助教による高温高圧下での超音波速度測定技術の開発と、そのマントル鉱物・岩石・マグマの弾性波速度の解明に関する研究が高く評価されたもので、同学術大会中の合同受賞講演会において、大藤GRC助教とともに受賞講演をおこないました。
  GRCでは平成20年度より、グローバルCOEプログラム「地球深部物質学」(拠点リーダー:入舩徹男GRC教授)において、若手研究者の育成を重要な課題とした教育研究活動を展開しています。今回の関連主要学会における若手の3件の受賞は、昨年の日本高圧力学会における2件の奨励賞(丹下慶範GRC助教・西原遊上級研究員センター・GRC関連上級研究員)の受賞とともに、その顕著な成果の一端を示すものといえます。





                       
大藤助教らが鉱物科学会奨励賞他受賞
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