GRCの土屋卓久教授の理論シミュレーションと物質材料研究機構の遊佐斉GRC客員研究員の高圧放射光実験により、A2O3組成を持つ化合物(三二酸化物)における新たな高圧相関係が明らかとなりました。今回実験と理論の両面からSc2O3の圧縮挙動を調べ、約20GPaにおいてGd2S3構造を有する新しい高圧相への相転移を発見しました。この結晶構造は陽イオンが8配位という極めて高い配位数を取り、これまで三二酸化物において実際に検証された中では最も稠密な原子配列を有する構造です。そのため相転移に伴い約13%という極めて大きな密度増加を生じるという特徴があります。In2O3などに対しても同様の相転移をすでに発見しており、これら一連の研究により三二酸化物の高圧相関系の理解が、大きく前進しました。この研究成果はアメリカの著名な専門誌であるInorg. Chem.に出版さ れるとともに、注目論文として掲載号の表紙を飾りました。
    
       

 
     
GRCの研究成果が米専門誌の表紙に
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