あけましておめでとうございます。
       本年も宜しくお願い申しあげます。


 昨年4月に設立された本センター(GRC)もまもなく2年目を迎えようとしています。 関係者の皆様には立ち上げに際し多大のご協力をいただき、また設立記念講演会への多数の ご参加をいただき誠に有難うございました。旧年中のことではございますが、この場を お借りしてあらためてお礼申し上げます。
 おかげさまでセンターの運営も順調にすすんでおり、各部門や個人の研究はもとより、 部門間の共同研究やGRC外との共同研究の新たな展開も計られつつあります。また英語版も 含めたホームページの立ち上げ、ジオダイナミクスセミナーの定期的開催、非常勤および 専任スタッフの人事等も予定どおりにすすみ、GRCにおける研究教育活動の基礎がつくられ つつあります。本ニュースレターも第2号が完成し、当面年3回(1月、5月、9月)の発行に より学内外への定期的な情報発信をめざしております。
 今年早々には専任教官2名の人事選考を終えるとともに、平成14年度中には理学部構内に 基礎科学総合研究棟も完成予定で、名実ともにセンターの体制が整うことになります。設備の面 でも平成13年度研究高度化設備費により措置された最新装置の導入がこの3月に予定されており、 研究教育の一層の発展が期待されます。特に本予算で購入予定の「分光超微細構造解析装置」は、 走査電顕とラマン分光装置を組み合わせた世界でもほとんど例のない新しい装置であり、微小合成物質の 化学組成と構造の同時決定に大きな役割を果たしてくれると考えられます。
 このような新しい、また既設の装置をより多くの方々に利用していただき、さらに新しい 研究の展開を計るため、今年は学内外の研究者を対象としたGRC共同研究員の制度化をすすめたいと 考えております。これまでにもジオダイナミクスセミナー等を通じて新たな共同研究の芽が育ちつつ あるとともに、学外からの訪問者による共同研究も盛んにおこなわれておりますが、これらの動きを 積極的に支援するためにもこのような制度の確立を急ぐ必要があります。またそれに伴うGRC利用規定の 制定もおこない、開かれたセンターづくりを目指したいと考えております。
 今年GRC教官が中心となっておこなうべきもう一つの重要な課題として、平成14年度高圧討論会の 松山開催があります。この討論会は地球科学、物理科学、化学、材料科学等を中心に、圧力を重要な 手段として用いる研究者による学際的学会(日本高圧力学会)が主催する年会であり、第43回目の 今年は初めて愛媛県で開かれます。近くGRCメンバーや理・工および学外の研究者による実行委員会が つくられる予定で、最新の高圧科学技術やその応用に関する研究発表等がおこなわれます。関係者の 皆様には是非ご協力をよろしくお願い申し上げます。
 21世紀のはじまりとともに産声をあげた本センターは、設立から短期間しか経ていないにもかかわらず、すでにGRC・地球深部研として広く知られるとともに、 スタッフの研究も高い評価を得ております。例えば国内開催の固体地球科学の国際会議では、 昨年の”Eclogite Conference”において日本からは唯一GRCのスタッフが2名招待講演を おこなっております。また今年最初の国際会議として1月末に東京で開かれる”Superplume Workshop Tokyo 2002” では、国内の招待講演者5名のうち実に3名がGRCのスタッフです。しかしこのような国内における評価に甘んじず、 特に今年は国外においてもGRCの名前が広く知られるよう、より一層活発な研究活動をすすめたいと考えております。 今後とも是非皆様の暖かいご支援を賜りますよう、よろしくお願いいたします。

入舩 徹男