国立大学の独立行政法人化に向け様々な取り組みがおこなわれていますが、GRCでも設立当初にかかげた目標である3つの" i "、即ち国際性(international)、革新性(innovative)、学際性(interdisciplinary)の実現を軸に、中期目標・計画作りをすすめております。第3の柱である学際的研究の展開をめざす上で重要な研究員・客員研究員制度をこのほどセンター規約に盛り込み、この10月1日から当面20名ほどの方に就任していただく予定です。今回はこれまでにGRCスタッフと実質的な共同研究をおこなっている、あるいはセミナー等における発表等を通じて日常的に研究上の接触をもっている方々にお願いしましたが、今後はこの制度を最大限に利用し、学内外のさらに多くの方との共同研究や学際的研究を推進したいと考えております。
 地方大学は大規模な大学に比べて様々な点でハンディキャップが多く、今後の生き残りをかけて極めて厳しい状況にあることは確かです。しかし一方で、地方であるからこそ可能である点もまた少なくないと思われます。地方大学における教官の数の少なさは、逆に他分野の研究者との接触機会が多いことにつながります。また"伝統"がないことは、自由な発想による新しい研究の展開を可能にします。本研究員制度はGRCの本来の目的である地球科学分野の研究にこだわらず、このような地方大学の特徴を最大限に生かし、学内の他分野の教官との交流による新しい学際的研究の展開を図るための基礎としたいと考えております。また学外の研究者を対象とした客員研究員制度は、本学では研究者が不足している分野の人材を取り込み、より広い視点からの研究活動をおこなうためにも不可欠のものです。
 学際的研究の一つの例として、超高圧関連部門の高温高圧下における物質合成技術を用い、最近極めて高い硬度を持つ多結晶ダイヤモンド焼結体の合成に成功しました。この研究は、本年度から住友電工伊丹研究所や物質材料研究機構物質研究所(旧科技庁無機材質研究所)と個別に共同研究の契約を取り交わし、本格的な研究へと移行しつつあります。このプロジェクトにはGRC研究員・客員研究員の方にも加わっていただくことになっており、新たな学際的研究の展開が期待されるところです。
 研究員・客員研究員によるGRCスタッフとの共同研究のありかたは、基礎科学総合研究棟の完成する来年前半をめどに、今後内規の制定も含めて関係者の間で改めて協議する予定です。GRCにおいては既設の大型機器に加え、平成13年度文部科学省高度化設備費により世界でもほとんど例のないSEM-RAMAN分析装置などいくつかの特徴ある機器を導入しました。また今後も平成13年度第2次補正予算等による最新機器の導入を予定しています。研究員・客員研究員の方々にこれらの機器を積極的に利用していただくことにより、GRCスタッフとの共同研究の推進と学際的研究の新たな展開を図りたいと考えております。
  
入舩 徹男