第109回ジオダイナミクスセミナー
Geodynamics Seminar
「九州地方下の三次元速度構造」
"3-D velocity structure under the Kyusyu region
derived from tomography"
講師:東藤 幸子(愛媛大学修士2年)
主催 : 愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センター
日時 : 2004年10月1日(金)17:0017時〜
場所 : 愛媛大学理学部講義棟 103教室
要 旨
日本列島南西部に位置する九州地方は、ユーラシアプレートの下にフィリピン海プレートが西北西方向に向かって沈み込んでおり、深さ約200 kmまで活発な地震活動がみられる。また九州地方の中央部に火山フロントが位置しており、現在でも雲仙、桜島、阿蘇山は活発に活動している。近年、防災科学技術研究所の高感度地震観測網(Hi-net)は日本列島全域に数多くの観測点を展開しおり、それらの観測点で記録されたデータはwebを通じて簡単に入手できるようになっている。これにより、これまでイメージングが難しかった地殻内部の構造もより詳細にイメージすることができる。結果では、沈み込むフィリピン海プレートに起因すると考えられる高速度異常体と、火山直下および背弧側だけでなく、前弧側にも低速度異常体がイメージされた。これは、東北地域下の速度構造と異なる特徴を示している。その理由として、九州地域下に沈み込むフィリピン海プレートが若いため、前弧側でも脱水が起こっていることが考えられる。
問い合わせ先:山崎 大輔 TEL (089)927-8408
E-mail yamazaki@sci.ehime-u.ac.jp