第118回ジオダイナミクスセミナー
   Geodynamics Seminar

 「CO3コンドライト中の溶け残りオリビンの研究」
    "Research of relic olivin in CO3 chondrite"

    講師:北窓 哲史(愛媛大学修士1年)

            
    
     主催 : 愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センター
     日時 : 2005年2月18日(金)17:00〜
     場所 : 愛媛大学理学部講義棟 201教室
要 旨
 Y82094(CO3コンドライト)のコンドリュール及びクラスト中のオリビンを観察するとWDS の電子ビームで発光するものが発見できる。  この発光現象はカソードルミネッセンスと呼ばれ、結晶中の欠陥構造に対応していると 考えられている。これを用いると、反射電子像や二次電子像で一見して同一に見える部分 の組成の変化等を知ることができる。コンドリュールにおける発光現象では、発光する部 分はコンドリュール形成時の溶け残りであると考えられている。Y82094中の発光するオリ ビンをWDSの電子ビームで分析するとAl,Ca,Ti等の通常のオリビンでは少量の元素が、非 発光のものに比べて多く検出された。また、外縁側から内側にかけて段階的に発光するオ リビンのゾーニングプロファイルでは、Al,Ca,Ti等の少量元素の濃集が確認できた。発光 するオリビンはコンドリュール前駆物質の溶け残りであり、メルトからの結晶成長で形成 されたのではなく、非平衡な状態で急速に冷却され、ガスから直接形成された可能性を示 唆している







        問い合わせ先:山崎 大輔  TEL   (089)927-8408
                    E-mail  yamazaki@sci.ehime-u.ac.jp


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