第145回ジオダイナミクスセミナー
   Geodynamics Seminar

  「高圧下における含水Mg珪酸塩メルトの構造変化」
   "Structural change of hydrous Mg silicate melts under
    high pressure"

       講師:山田明寛(愛媛大学博士2年)
        
                            
    
     主催 : 愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センター
     日時 : 2006年2月3日(金)17:00〜
     場所 : 愛媛大学理学部講義棟 301教室
要 旨
  水は、その存在量の多少に関わらず地球内部物質の物性や融解特性に著しい影響 を与える。例えば、含水条件下におけるマントル鉱物の高圧熔融関係は無水条件と は大きく異なり、また、生成される初生メルトの組成は全く別の組成になることも 明らかにされている。このような含水珪酸塩メルトの特性は、圧力下でのメルトの 構造が大きく関わっていると考えられ、その構造変を調べることは地球内部におけ る含水マグマの状態を推測する上でも非常重要である。
 これまで、含水珪酸塩メルトの構造に関する研究は高温高圧条件で生成した水珪 酸塩メルトの急冷回収物質である、含水珪酸塩ガラスの分析のみにとどまっていた。 そこで本研究では、単結晶ダイヤモンドと貴金属の複合カプルを用いることにより 高温高圧下での含水珪酸塩メルトを封入し、構造解析を行うためのX線回折パター ンを収集することに成功した。
 発表では、単結晶ダイヤモンドカプセルを使用した、高温高圧下での含水珪酸塩 メルトのX線回折実験について紹介する。また、これまでに得られた6.5 GPaまでの 含水Mg珪酸塩メルトのX線回折データ、およびそれらをフーリエ解析した結果につ いても紹介する。





        問い合わせ先:土屋 卓久 TEL   (089)927-8198
                      E-mail  takut@sci.ehime-u.ac.jp


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