第150回ジオダイナミクスセミナー
Geodynamics Seminar
「大型ナノ多結晶ダイヤモンド合成と核領域の圧力発生
への応用」
"Synthesis of ultrahard nano-polycrystalline diamond (NPD)
and its potential application to generation of multi-megabars"
講師:入舩 徹男(GRC教員)
主催 : 愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センター
日時 : 2006年4月21日(金)17:00〜
場所 : 愛媛大学理学部講義棟 101教室
要 旨
GRC超高圧グループでは、自ら開発した超硬度ナノ多結晶ダイヤモンド(NPD;
Irifune et al., Nature, 2003)の大型化と実用化をすすめている。この結果、最近では直径4mm程度の大型化に成功するとともに、高い透光性を持った高品質NPDの合成法を確立しつつある。一方で、6-8-2加圧方式の改良により、従来の焼結ダイヤ
モンド(SD)とマルチアンビル装置を用いて、常温ではあるがメガバール領域の圧力発生も可能になった。
従来のSDをはるかに凌ぐ硬さを持つNPDのポテンシャルを生かし、これを6-8-2方式に応用することにより、地球中心核に相当するマルチメガバール領域の圧力発生が期待される。また、その高硬度と高透光性を生かして、NPDをダイヤモンドアンビル装置(DAC)に応用することにより、従来の静的超高圧の発生圧力温度限界を大
きく打破できる可能性もある。
本公演では、地球の中心核をめざした、NPDによるこのような技術的ブレークスルーの可能性を展望するとともに、研究の現状について報告する。
問い合わせ先:土屋 卓久 TEL (089)927-8198
E-mail takut@sci.ehime-u.ac.jp