第167回ジオダイナミクスセミナー
   Geodynamics Seminar

      「地震波トモグラフィーによる月の内部構造」
    "Lunar interior structure by Seismic Tomography"
 
        講師:沼川広太(愛媛大学修士2年)
 


    主催 : 愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センター
      日時 : 2006年12月8日(金)17:00〜
      場所 : 愛媛大学理学部講義棟 101教室
要 旨
  米国のアポロ計画によって月震観測点が月面上に設置され、1977年9月までに12,558個の月震が観測された。これら月震データの解析によりNakamura (1983)、Goins et al. (1981)、Lognonn? et al. (2003)、Khan and Mosegaard (2002)、Kuskov (2002) らによって月内部の一次元速度構造の解明が進められてきた。本研究では、これらを元に地震波トモグラフィー法を用いて月内部の三次元速度構造を推定し、月震分布と月の内部構造との関連性を見出すとともに、その精度向上を図った。
 本研究では、Nakamura(2005)とLognonn? et al.(2003)によって震源再決定 された月震3,436個からP波・S波トモグラフィーを行った。加えて、NASAのクレメンタイン衛星によって観測された重力データから推測された月のモホ面の深さ分布から、地殻の厚さを考慮したトモグラフィーも行った。これらデータの観測点は、アポロ12,14,15,16号着陸地点に設置されたものを使用している。解析では、Zhao(2001)のグローバル地震波トモグラフィー法を用いてインバージョンを行った。また理論走時計算では、Nakamura(1982)による一次元速度モデルを使用した。 本発表では、これらの解析によって得られた月表側の内部構造と月震についての議論を行う。

        問い合わせ先:土屋 卓久  TEL   (089)927-8198
                       E-mail  takut@sci.ehime-u.ac.jp


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