第169回ジオダイナミクスセミナー
Geodynamics Seminar
「wadsleyite-garnet及びringwoodite-garnet間の水の分配」
"H2O partitioning between wadsleyite and garnet and
between ringwoodite and garnet"
講師:勝田雅典(愛媛大学修士1年)
主催 : 愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センター
日時 : 2007年1月5日(金)17:00〜
場所 : 愛媛大学理学部講義棟 101教室
要 旨
地球は進化の過程上、内部に大量の水を取り込んだと考えられている。また、現在でも水は沈み込むスラブ中の含水鉱物によって、常に地球内部に供給されている。水の存在は鉱物の物性に大きな影響を与え、融点の低下や相転移幅、弾性波速度の変化を起こす要因になる。上部マントル、マントル遷移層は6割をolivine、4割をpyroxene-garnetが占めている。最近の研究ではolivineの高圧
相であるwadsleyiteには最大3.3 wt%、ringwooditeには最大2.2 wt%の水が入るとされている。また、olivineの高圧相間の水の分配は井上,2004で、olivine
: wadsleyite : ringwoodite : perovskite= 6:30:15:1とされている。このことか
らwadsleyiteとringwooditeが存在するマントル遷移層は大量の水を含有していることが明らかになっている。しかし、これらの実験用いられている出発物質は
Mg2SiO4や(Mg,Fe)2SiO4組成で行われておりAlやCaの入った系での実験は行われていない。また、マントル遷移層の4割を占めるgarnetとの水の分配は求められていない。よって本研究ではモデルマントル組成に近づけるためMg-Fe-Si-Al-Ca
の系で実験を行い、wadsleyite-garnetとringwoodite-garnet間の水の分配を検討する。
問い合わせ先:土屋 卓久 TEL (089)927-8198
E-mail takut@sci.ehime-u.ac.jp