第170回ジオダイナミクスセミナー
   Geodynamics Seminar

「最下部マントル超低速度層(ULVZ)の多様性と起源について」
"Variety and origin of the ultralow velocity zone in the
lowermost mantle"

講師:出原光暉(愛媛大学博士2年)
     主催 : 愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センター
     日時 : 2007年1月12日(金)17:00〜
     場所 : 愛媛大学理学部講義棟 101教室


              

要 旨
 最下部マントルに存在する厚さ30 km程度の薄い超低速度層 (ULVZ)は、核-マン トルのダイナミクスを理解する上で主要な役割を果たしていると考えられてい る。これまで、多くの研究によって、局所的、大局的な ULVZの構造が調べられ てきた。しかし、地震波を用いたモデリングにはパラメーター間で多くのトレー ドオフが存在するため、ULVZの地震波速度、密度構造に制約条件を置くのは困難 であった。また、それゆえに、弾性的性質の見地からULVZの多様性が論じられる こともほとんどなかった。 我々は、PcP波とScP波のULVZに対する応答を理解することによって存在するト レードオフをできるだけ小さくし、ULVZの速度、密度構造を波形モデリングに よって推定した。また、Karato and Karki (2001)で用いられたスケーリング則 を用いて多様なULVZの構造について議論した。



        問い合わせ先:土屋 卓久 TEL   (089)927-8198
                      E-mail  takut@sci.ehime-u.ac.jp


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