第190回ジオダイナミクスセミナー
Geodynamics Seminar
「大型多結晶ダイヤモンドの合成及び微細組織観察」
"Microstructure observation and synthesis of large polycrystalline diamond"
講師:大西健央(愛媛大学修士2年)
主催 : 愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センター
日時 : 2007年10月26日(金)17:00〜
場所 : 愛媛大学理学部講義棟 101室
要 旨
劈開性を持たない多結晶ダイヤモンドは非常に魅力のある材料である。Irifune
et al. (2003)によって6-8型多段マルチアンビル超高圧発生装置を用い、グラファイトからの直接変換により、ダイヤモンド単相の多結晶体が得られた。しかし、得られた試料が直径1
mm程度だったため様々な用途に応用するには小さすぎた。本研究では6-8型多段マルチアンビル超高圧発生装置を用いて直径約4
mm、厚さ2 mm程度の大型多結晶体の合成に成功した。初期の大型試料は、クラック、残留六方晶ダイヤモンドやC軸方向に圧縮されたグラファイトの存在が一部の試料において確認された。しかし、カプセル材質や加熱操作過程の変更を行った結果、クラックのないほぼ立方晶ダイヤモンドからなる大型多結晶体の合成に成功した。また、投入電力と発生温度には再現性が見られ、熱電対を不要とした実験においても安定的に大型多結晶体の合成が可能となった。TEM観察の結果、得られた多結晶体は数十〜数百nmの粒状組織が優勢であるが、一部には数百nm程度のラメラ状組織の混在も確認された。本発表では、各合成条件における微細組織の特徴についても報告する。
問い合わせ先:土屋 卓久 TEL (089)927-8198
E-mail takut@sci.ehime-u.ac.jp