第191回ジオダイナミクスセミナー
Geodynamics Seminar
「Fe-0-S系における共融温度の圧力依存性」
"Effect of pressure on the eutectic temperature in the Fe-O-S system"
河村崇紀(愛媛大学修士2年
主催 : 愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センター
日時 : 2007年11月2日(金)17:00〜
場所 : 愛媛大学理学部講義棟 101室
要 旨
核の組成・形成過程を知る上で硫黄、酸素などの軽元素は、鉄の融点や密度を
大きく低下させることから非常に重要な元素である。そこで本研究では、それら
のFe-O-S系における共融温度の圧力依存性をマルチアンビル型超高圧発生装置を
用いて調べた。その結果、Fe-O-S系の共融温度は、8 GPaから14 GPaまで低下、
そこから上昇することがわかった。また、16 GPaではFe3S2組成に近い固相の出
現が確認された。Urakawa et al.(1987)では、Fe-O-S系の共融温度は同じ圧力
範囲において上昇し続けると報告されている。しかし、近年報告されたFe-S系の
研究(Fei et al., 1997, 2000, Li et al., 2001)は、本研究の結果と調和的
な報告をしている。Fe-S系の実験は、酸素を排除することが非常に困難であるこ
とから、これらの実験が酸素を含んでいる可能性も排除しきれない。実際にこの
共融温度の変化が、酸素の付加によるものなのかどうか、本研究で得られた共融
組成の変化や高圧相の出現等を踏まえて検討する。
問い合わせ先:土屋 卓久 TEL (089)927-8198
E-mail takut@sci.ehime-u.ac.jp