第193回ジオダイナミクスセミナー
   Geodynamics Seminar


「蛇紋石の高温高圧下での脱水分解反応カイネティクス」
"Dehydration kinetics of serpentine under high pressure and high temperature"

吉見 勇(愛媛大学修士2年)
   主催 : 愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センター
   日時 : 2007年11月30日(金)17:00〜
   場所 : 愛媛大学理学部講義棟 101室

              

要 旨
  蛇紋石は沈み込み帯における主要な含水相であり、この相を用いてこれまで多くの高温高圧実験が行われてきた。それらの研究結果から、蛇紋石が脱水分解した際に発生する流体相は島弧マグマの成因に関与し、また生成された含水相は水を更に地球深部へと運搬し得ることが示唆された [Komabayashi et al. (2005), Schmidt & Poli (1998)]。しかしながら、沈み込むスラブは周囲のマントルに比べ非常に低温であると考えられ、反応が遅いことが示唆される。そのため実際のスラブにおける現象を解明するためには、その脱水分解反応の速度、時間変化を考慮する必要がある。
 そこで我々は、蛇紋石を用いてX線その場観察実験を行った。発表では、脱水分解反応中の回折X線時分割測定データのアブラミ方程式によるフィッティング結果や反応途中での急冷回収試料の電顕観察から、反応のメカニズムや速度について考察する。


        問い合わせ先:土屋 卓久  TEL   (089)927-8198
                       E-mail  takut@sci.ehime-u.ac.jp