日時 ： ２００８年１月２５日（金）17：00〜
場所 ： 愛媛大学理学部講義棟 １０１室
要 旨
核ーマントル境界 (CMB) 直上約100 ~ 300 kmはD''層とよばれる領域である。D''層上面ならびに層内部の不連続面の成因はスラブの沈み込みや熱化学的不均質などによると考えられていたが、明確な解釈はなかった。しかし、Murakami et al. [2004]やTsuchiya et al. [2004] などによって発見されたPv -pPv 相転移によってD''層の特徴を統一的に説明できる可能性が出てきた。さらに、D''層の成因がPv -pPv 相転移である場合、最下部マントルにおいてPvからpPvに相転移したあと再びpPvからPvへ相転移が起こることにより、地震波速度不連続面が2 つ存在する可能性がHernlund et al. [2005]で言及されている。これは、Pv -pPv のクラペイロン勾配と地球内部の温度が2点で交わることによると示唆されており、Double crossing modelと呼ばれている。
本研究では、世界各地に分布している地震観測網の地震波形データを解析した。検出された反射波によって推定されるD''反射面は、シベリア下と中央アメリカ下で2つ、メキシコ湾北部下では1つ、西太平洋下では反射波が検出されなかった。本セミナーでは、過去のDouble crossingの研究やトモグラフィーの結果との関係について考察しDouble crossingの検証を行う。
問い合わせ先：土屋 卓久 TEL （089）927-8198
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