第199回ジオダイナミクスセミナー
   Geodynamics Seminar

「日本産天然ダイヤモンドの成因解明に向けて」
"Speculation for the origin of Japanese diamond"

水上知行
(日本学術振興会特別研究員PD, 名古屋大学)
   主催 : 愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センター
   日時 : 2008年2月21日(木)17:00〜
   場所 : 愛媛大学理学部講義棟 101室

              

要 旨
 愛媛県四国中央市に露出する玄武岩質岩脈中のマントル捕獲岩に日本で初めて天然ダイヤモンドが見つかった。顕微ラマン分光によって、単斜輝石中の二酸化炭素の流体包有物の内部に、炭酸塩鉱物(ドロマイト)に隣接して存在する1ミクロン程度の微粒子が検知された。これらの流体・鉱物相が共存していたと考えると、ダイヤモンドと母岩の起源圧力は5.5 GPa(深さ約160 km相当)以上と推定される。このような深部のマントルが、前弧に到達するプロセスとはどのようなものか、ダイヤモンドが成長した環境はどういったものか、といった多くの疑問が浮かぶ。しかし、現時点では産例が少なく情報が限られている。セミナーでは、このダイヤモンドの産状を紹介し、テクトニック履歴やダイヤモンド形成反応に関して推察的な議論を進める。これらが成因解明へ向けての土台となることを願う。





        問い合わせ先:土屋 卓久  TEL   (089)927-8198
                       E-mail  takut@sci.ehime-u.ac.jp