第200回ジオダイナミクスセミナー
   Geodynamics Seminar

「下部マントルでは鉄はなぜ3価が支配的か?
−FeAlO3置換が及ぼすMg-ペロブスカイトの安定性と物性への影響−」
"Why is ferric iron more dominant than ferrous in the lower mantle? -The effects of FeAlO3 substitution on the stability and physical properties of Mg-perovskite-"

藤野清志(北海道大学大学院理学研究院)
   主催 : 愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センター
   日時 : 2008年2月29日(金)17:00〜
   場所 : 愛媛大学理学部講義棟 101室

              

要 旨
  最近の研究で,下部マントルでは鉄は2価より3価の方が支配的である可能性が強まってきた.そして,Mg-ペロブスカイトにおけるFe(3+)AlO3 成分の置換がそれに関係しているらしいことも,分かってきた.しかし,FeAlO3 成分の置換はどのような条件でどのように起きるのか,その置換によりMg-ペロブスカイトの安定性や物性はどうなるのか,と言った点については,あまり明らかではなかった.これらの点についての最近の我々の研究室の研究結果(浜根大輔氏のD論が主)を紹介する.
 内容として,以下の項目について話す.
・ FeAlO3成分は下部マントルではどの相に入るか?
・ Mg-ペロブスカイトへのFeAlO3成分の固溶の圧力依存性は?
・ FeAlO3成分による置換がMg-ペロブスカイトの安定性と物性に及ぼす影響は?
・ Mg-ペロブスカイトにおける鉄の価数不均化反応を支配する要因は何か?






        問い合わせ先:土屋 卓久  TEL   (089)927-8198
                       E-mail  takut@sci.ehime-u.ac.jp