第215回ジオダイナミクスセミナー
   Geodynamics Seminar

「高温高圧下でのカンラン石・ウォズリアイトの 変形実験」
"Deformation experiment of olivine and wadsleyite under high-pressure and high-temperature"

        
川添貴章(グローバルCOE研究員)
   主催 : 愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センター
   日時 : 2008年11月1日(金)17:00〜
   場所 : 愛媛大学理学部講義棟1F101室

              

要 旨
 カンラン石の塑性変形特性に与える圧力効果やウォズリアイトの塑性変形特性を決定することは、マントルダイナミクスや地球進化を理解するために重要である。過去にカンラン石の変形特性について多くの研究が行われたが、この圧力効果は未だに議論の余地が残っている。またウォズリアイトについては一定の歪速度下での変形実験を行うことが出来ていなかった。そのため高温高圧下においてカンラン石・ウォズリアイトの変形実験を行い、転位クリープ変形領域でのカンラン石のクリープ強度に与える圧力効果およびウォズリアイトのクリープ強度を明らかにした。
 変形実験は、回転ドリッカマー装置(RDA)および放射光X線をもちいて18.0GPa・2100 Kまでの圧力・温度領域において、16 x 10-5までの歪速度において行った。変形中に試料の受けている差応力および歪はそれぞれX線回折およびX線ラジオグラフを用いてその場測定した。カンラン石の転位クリープ変形領域でのクリープ強度は圧力の増加にともない有意に増加した。ウォズリアイトのクリープ強度はほぼ同じ圧力下のカンラン石のものと同程度であった。




        問い合わせ先:土屋 卓久  TEL   (089)927-8198
                       E-mail  takut@sci.ehime-u.ac.jp