第220回ジオダイナミクスセミナー
Geodynamics Seminar
「大型ナノ多結晶ダイヤモンドの合成技術開発と微細組織観察
」
"Technical development for large nano-polycrystalline diamond synthesis
and microstructure observation"
磯部太志(愛媛大学修士1年)
主催 : 愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センター
日時 : 2009年1月23日(金)17:00〜
場所 : 愛媛大学理学部講義棟 101室
要 旨
グラファイトからの直接変換焼結により得られる、ナノ多結晶ダイヤモンド
(nano-polycrystalline diamond=NPD)は微細な組織から成り、単結晶ダイヤモン
ドと同等からそれ以上の優れた硬度を有する。これまでに、このNPDの直径4mm
程度の大型化、高品質化が行われ、工業用用途をはじめ、DACなどの小型の高圧
発生装置としても応用が試みられてきた。しかし、より幅広い応用目的のために
は、さらに大型のNPDの合成技術開発が望まれる。これまでに、NPDの生成が確認
されている圧力は15 GPa以上であるが、本研究ではさらに低圧下での合成を確認
し、合成に必要な温度圧力を明らかにした。現在、それらの結果を元に高圧セル
の更なる大容量化、及び試料サイズの最適化を行っている。
また一方で、これまでに得られたNPDの微細構造観察を進めている。TEMによる観
察の結果、得られたNPDの結晶粒径は数十から数百nmに及び、Sumiya and
Irifune (2004)による報告結果と比較して有意に大きい。さらに硬度測定結果に
おいても、過去の報告結果よりも若干劣る値を示している。発表では、大型試料
合成の現状、得られたNPDのTEM観察結果、及び機械特性向上の可能性について考
察を行う。
問い合わせ先:土屋 卓久 TEL (089)927-8198
E-mail takut@sci.ehime-u.ac.jp