第222回ジオダイナミクスセミナー
Geodynamics Seminar
「高温、高圧条件下におけるFeAlO3の相関係」
"Phase relation of FeAlO3 at high pressure and temperature"
和田光平(愛媛大学修士1年)
主催 : 愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センター
日時 : 2009年2月6日(金)17:00〜
場所 : 愛媛大学理学部講義棟 101教室
要 旨
下部マントルの主要構成鉱物であるMg-perovskiteは、多量のアルミニウムと鉄を固溶することが知られている(Irifune,1994)。この鉱物相にアルミニウムと鉄
が同時に固溶する場合、MgA2+ + SiB4+ ⇔ FeA3+ + AlB3+ というFeAlO3置換反応が支配的に起こることが実験的にも、理論的にも示されている(Frost
et al., 2004; Richmond and Brodholt, 1998)。このことは、下部マントル条件下において、MgSiO3-FeAlO3の固溶が起こっていることを示唆している。しかし、MgSiO3
の相関係がよく研究されているのに対し、FeAlO3の相関係はほとんど研究例がな
い。Nagai et al. (2005)では、ダイヤモンドアンビルセルを用いてFeAlO3 の高温高圧実験をしており、その結果25
GPa, 約1400 Kの温度圧力条件下では、Fe3+ が固溶したAl2O3とAlが固溶したFe2O3に分解し、72
GPa,約1800 Kの温度圧力条件下では、Rh2O3(U)型構造のFeAlO3単相になると報告している。
本研究では、マルチアンビル型高温・高圧発生装置を用いて、1673 K, 25 GPaまでのFeAlO3の相平衡実験を行ったので、その結果を報告する。
問い合わせ先:土屋 卓久 TEL (089)927-8198
E-mail takut@sci.ehime-u.ac.jp