第226回ジオダイナミクスセミナー
   Geodynamics Seminar

「マントルウェッジかんらん岩の結晶方位異方性と地震波特性」
"Rock seismic anisotropy in the mantle wedge: an insight from peridotites in various tectonic settings"


道林克禎(静岡大学理学部地球科学科)
   主催 : 愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センター
   日時 : 2009年3月13日(金)17:00〜
   場所 : 愛媛大学理学部講義棟1F101室

              

要 旨
 我々のグループは,かんらん岩の微細構造・結晶方位定向配列・主要元素化学組成から最上部マントルの構造を研究している[1].最近は,特に日本列島周辺に分布する超塩基性岩体に残存するかんらん岩からマントルウェッジの構造を推定する研究を進めている.現在までに海溝陸側斜面[2]・蛇紋岩海山・高圧型変成帯の超塩基性岩体[3, 4]のかんらん岩から沈み込むスラブ直上のウェッジ先端部から深部にかけての構造を,かんらん岩捕獲岩から火山フロントから背弧側 [5,6]の最上部マントルの構造を推定した.本講演では,これまでの研究成果の概要を紹介するとともに,かんらん岩の結晶方位異方性の解析結果から推定される地震波特性を元にして,地表で観察される地震波異方性への原因について議論する.

[1] 道林(2008)地学雑誌,117(1), 93-109.
[2] Michibayashi et al.(2007) Tectonophysics, 444, doi:10.1016/j.tecto.2007.08.010.
[3] Tasaka et al. (2008) EPSL, 272, doi:10.1016/j.epsl.2008.06.014.
[4] 田阪・道林(2008)地球,30, 71-77.
[5] Michibayashi et al. (2006) GRL, 33, doi:10.1029/2006GL025812.
[6] 佐津川・道林(2008)地球,30, 63-70.





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