第46回ジオダイナミクスセミナー
   Geodynamics Seminar

  「地球回転変動・マントルレオロジー・
   両極氷床のマスバランス」
  “Perturbations of the Earth's rotation, mantle
   rheology and the present-day mass balance of
   both polar ice caps”

   講師:中田 正夫 (九州大学・理学研究院・
             地球惑星科学部門教授 )

     主催 : 愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センター
     日時 : 2002年7月26日(金) 午後17時〜
     場所 : 愛媛大学理学部講義棟 201教室
要 旨
 最近の人工衛星測地学や緯度観測により、 地球回転速度の変動や極移動が観測されている。 地球回転速度は潮汐による減速を考慮すると、 1.4x10-22 s-2で増加していて、 極移動は大きさが1°/Maで方向が75°Wであることが観測されている。
 これらの変動の主要な原因は、第四紀の氷床の融解に伴う地球の変形と、 最近の地球温暖化に関係した両極の氷床融解である。 つまり、これらの量を解析することにより、地球の変形を支配するマントルのレオロジーと、 最近の両極の氷床のマスバランスを推定することが可能である。 本セミナーではこれらのデータとモデル計算に基づき、 下部マントルの粘性率が1022 Pas程度、 西南極とグリーンランド氷床は海面上昇にしてほぼ0.5mm/yrで融解している可能性があることを紹介する。   

        問い合わせ先:山崎 大輔  TEL   (089)927-8408
                    E-mail  yamazaki@sci.ehime-u.ac.jp