第51回ジオダイナミクスセミナー
   Geodynamics Seminar

     「希土類化合物の高圧下NMR/NQR」
 “NMR and NQR Studies of Rare-Earth Compounds
  under High Pressure”

      講師:平岡 耕一(工学部教官)
        

     主催 : 愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センター
     日時 : 2002年10月25日(金) 午後17時〜
     場所 : 愛媛大学理学部講義棟 201教室
要 旨
 希土類化合物には、比較的よく内殻に局在しているf電子と伝導電子との混成効果 により、高濃度近藤効果や価数揺動などの特徴的な物性を示す物質が多くある。この混成効果は、温度、外部磁場、圧力などの外的条件により変化し、その物質の物性を 極端に変える場合がある。
 温度変化による価数相転移を示す典型的希土類化合物YbInCu4は、40 K以下の低温 では温度に依存しないPauli 常磁性を示し、42 K付近で一次相転移的な磁化率の増加 を示した後、高温ではCurie-Weiss則に従った減少を示す。転移点付近で、結晶構造 の変化、磁気的なorderは観測されておらず、これがYbイオンの価数の変化によるも のとして解釈されている。しかしながら、価数相転移の機構については、今だに明ら かになっていない。今回のセミナーでは、このYb系を中心にCe系なども含め、我々の グループにおいて開発されてきた高圧力下における核磁気共鳴(NMR)装置を用いた、 高圧力下NMR, NQR(純四重極共鳴)の結果を中心にお話しする。



        問い合わせ先:山崎 大輔  TEL   (089)927-8408
                    E-mail  yamazaki@sci.ehime-u.ac.jp