第87回ジオダイナミクスセミナー
Geodynamics Seminar
「35GPaまでのKAlSi3O8における相転移のX線その場観察」
"In situ X-ray observations of phase transitions in KAlSi3O8
to 35GPa"
講師:末田有一郎(愛媛大学博士2年)
主催 : 愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センター
日時 : 2004年1月23日(金) 午後17時〜
場所 : 愛媛大学理学部講義棟 201教室
要 旨
正長石(KAlSi3O8)は地殻に多く含まれており、海洋スラブの沈み込みによって地球内部にもたらされていると知られている。また、地
球内部の熱源の一つとして重要な40Kはマントル中において正長石をホストにしていると考えられているため、正長石の相関係を明ら
かにすることは地球の熱源を解明する上でも重要である。本研究は、マルチアンビル装置を用いた放射光X線その場観察実験を行い、
〜35GPa、1200℃までの温度圧力条件でKAlSi3O8の相関係について調べた。実験の結果、KAlSi3O8はおよそ25GPaにおいて新たな高圧相
(HollandeiteII)へ相転移することを明らかにした。この結果から、これまで下部マント全域にわたってHollanditeが存在していると
考えられていたが、HollanditeIIが下部マントルにおけるKのホストとなっていることが示唆された。
問い合わせ先:山崎 大輔 TEL (089)927-8408
E-mail yamazaki@sci.ehime-u.ac.jp