CO2レーザー加熱DACを用いたMgO融点精密決定に成功
GRCの木村友亮研究員(現東北大学理学研究科・日本学術振興会研究員)、大藤弘明教授、西真之助教、入舩徹男教授の研究チームは、ダイヤモンドを用いた超高圧発生装置(DAC)と、独自に開発したCO2レーザー両面加熱システムを組み合わせ、ペリクレースに対し、今まで行われた研究の中で最高圧力である50万気圧までの融点の正確な決定に成功しました。得られた融点(50万気圧で5600℃)は、これまでの実験値より約1500℃高く、ペリクレースがマントル鉱物の中で最も高い融点を持つことを明らかにしました。この結果は、太古の地球に存在したマグマオーシャンが冷え固まる際、マグネシウムを多く含むペリクレースが最初に固化してマグマから取り除かれることを意味しており、マントル最深部のマグマの成分や、下部マントル全体の化学組成を明らかにする上でも重要な情報をもたらします。
本研究成果は、Nature出版のオンラインジャーナルNature Communicationsの6月5日版において発表されました。
【発表論文】
Tomoaki Kimura, Hiroaki Ohfuji, Masayuki Nishi, Tetsuo Irifune, Melting temperatures of MgO under high pressure by micro-texture analysis, Nature Communications, doi: 10.1038/NCOMMS15735.
【参考HP】
論文HP http://www.nature.com/articles/ncomms15735
Nature Communications http://www.nature.com/ncomms/