柿澤翔さんが国際会議で優秀ポスター賞受賞

 GRCの井上徹教授が指導する大学院生の柿澤翔さん(理工学研究科博士前期課程2年)が、2015年8月16-21日にかけてチェコ・プラハで開催されたゴールドシュミット国際会議(Goldschmidt Conference 2015)で、ヨーロッパ鉱物科学会(EMU: European Mineralogical Union)から選出される優秀ポスター発表賞(EMU Poster Prize)を受賞しました。

 ゴールドシュミット国際会議は,アメリカ地球化学会とヨーロッパ地球化学連合(ヨーロッパ各国の地球化学会の連合体)が主催する地球化学分野での唯一の国際会議です。地球化学及び関連する広い分野を網羅し、今回のプラハでの会議も各国から約4000人の参加者がありました。同会議のスポンサーの一つであるヨーロッパ鉱物科学会は、鉱物科学に関係するセッションから2名のポスター賞(EMU Poster Prize)を選出しましたが、GRCで研究をすすめている柿澤さんがその1人に選ばれました。同ポスター賞の受賞対象者の年齢は30歳までとなっていますが、柿澤さんは23歳での受賞であり快挙と言えます。

左から柿澤さん,JurajMajzla氏(EMU秘書),FernandoGervilla氏(EMU副会長

左から柿澤さん,JurajMajzla氏(EMU秘書),FernandoGervilla氏(EMU副会長)

 柿澤さんの受賞ポスターのタイトルは「Water solubility of Al-bearing bridgmanite at the lower mantle condition(下部マントル条件におけるAlに富んだブリッジマナイト中への水の溶解度)」です。ブリッジマナイトは,地球内部の660kmから2900km付近までを占める下部マントルにおいて、その約8割近くを占める高圧鉱物であり、地球で一番多く存在する鉱物とも言えます。柿澤さんはブリッジマナイト中の含水量の圧力依存性を、50 万気圧程度の下部マントル半ばに対応する圧力まで実験により明らかにしました。高度な高圧実験及び機器分析技術により初めて可能となった研究であり、審査員から高い評価を受けました。    
 柿澤さんにはポスター賞の賞状に加えて、副賞としてヨーロッパ鉱物科学会発行の洋書2冊が進呈されます。尚、柿澤さんはスーパーサイエンス特別コースの学生として、井上徹教授のもとで3回生から研究をすすめてきました。

参照
EMU poster prizes at the Goldshmidt 2015 meeting (http://eurominunion.org/?page_id=749)
Goldschmidt Conference 2015 (http://goldschmidt.info/2015/)

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