土屋旬准教授がJpGU西田賞受賞者に決定
日本地球惑星科学連合(JpGU)は我が国の地球・惑星科学関連分野の51学会が参画し、1万人を越える会員を擁する地球惑星科学分野の連合学会です。JpGUでは「新しい発想によって優れた業績を挙げ、国際的に高い評価を得ている」45歳未満の研究者に対して、地球惑星科学振興西田賞(西田賞)を2年に一度選考・授与しています。このたび、GRCの土屋旬准教授が2021年度の受賞者として決定されたことが4月12日付で発表されました。
土屋准教授の受賞理由は「第一原理計算による地球内部物質中の水素の挙動の研究」で、地球深部における水素の挙動、特にマントル深部条件下で安定な含水鉱物の結晶構造や物性などに関する理論的研究が高く評価されたものです。土屋准教授は、マントル深部の超高圧下でこのような鉱物中の水素結合の対称化が起こることを明らかにするとともに、下部マントルで安定な新しい含水鉱物の存在を予測し、それがGRCの実験グループにより証明されるなど、超高圧実験に対する重要な指針を与える独創的な研究を進めてきました。
また土屋旬准教授は、国際的なプロジェクトである「Deep Carbon Observatory」において、日本を代表する委員の一人として参画し、地球深部科学分野における国際的な連携活動において重要な役割を果たしてきました。このような国際的活動や上記の一連の研究が高く評価され、アメリカ鉱物学会(MSA)の2018年度フェローに選出されています。
なお、西田賞の授賞式は2021年5月30日(水)から6月6日(日)までオンラインで開催されるJpGU-2021大会期間中に行われる予定です。
【参考HP】
日本地球惑星科学連合HP内:西田賞受賞者のご紹介