GRCの出倉春彦講師および桑原秀治講師は、西真之准教授(大阪大学大学院理学研究科・GRC客員准教授)と高橋虎太郎さん(研究当時:大阪大学大学院理学研究科博士前期課程)を中心とする研究グループに参画し、地球深部のマントルを構成する鉱物が、圧力が高くなるほど水を蓄えやすくなる仕組みを明らかにしました。
これまで、マントルの高圧環境で水を含む鉱物が存在できることが示されてきました。一方で、地球深部の水が、どの深さで、どの鉱物に、どれだけ蓄えられるのかについてはさまざまな見解があり、現在も活発に研究が進められています。
今回、研究グループは、マントル深部の高温・高圧環境を再現した実験を行い、大型放射光施設SPring-8の強力なX線と理論計算を組み合わせて、鉱物の変化を詳しく調べました。その結果、SiO₂を主成分とする「無水鉱物」とAlOOHを主成分とする「含水鉱物」の成分が互いに置き換わって固溶体を形成し、圧力が高くなるほどその置き換わりが進むことを明らかにしました。これにより、地球深部では、鉱物が蓄えることのできる水の量が深さによって変化する可能性が示され、マグマの形成や、下部マントル内部での水の不均一な分布を説明する新たな仕組みとなる可能性に期待されます。
本研究成果は、米国科学誌「Geophysical Research Letters」に、9月29日(火)に公開されました。
論文情報
タイトル:“In Situ Observation of Pressure-Enhanced Hydrous-Anhydrous Solid Solution in Lower-Mantle SiO2-AlOOH Phases”
著者名:M. Nishi, K. Takahashi, H. Dekura, K. Kawano, H. Koike, K. Nakamura, T. Kondo, H. Kuwahara, S. Kakizawa, N. Tsujino, Y. Higo
DOI:10.1029/2026GL124407
本研究は、日本学術振興会科学研究費助成事業(JP26H02092、JP22H01322、JP24K21208、JP23K22593)および愛媛大学先進超高圧科学研究拠点(PRIUS)の共同利用・共同研究の支援を受けて行われました。