100万気圧超の圧力における氷の結晶構造の解明に成功

氷中の水素結合の対称化を示した模式図(黒丸が酸素原子、白丸が水素原子を示す)

東京大学・原子力機構・CROSS・愛媛大学GRC・ソルボンヌ大学の研究グループは、世界で初めて100万気圧を超える圧力下での中性子回折実験を行い、氷結晶中の水素位置の分布の詳細な解析に成功しました。この結果、これまで理論的に予想されていた水素結合の対称化を、80万気圧以上の圧力下で初めて直接観察しました。

中性子回折実験には比較的大容量の実験試料が必要で、実験装置のコアとなる超硬材料として、GRCで開発・合成された大型(直径8mm)ナノ多結晶ダイヤモンド(ヒメダイヤ)を用いることにより、100万気圧以上の超高圧領域での中性子回折に成功しました。本研究には先端研究院院長・GRCの入舩徹男教授と、先端研究院・先端研究高度支援室の新名亨シニアラボマネージャーが参加しており、研究成果は2024年6月27日発行のNature Communications誌において発表されました。

【論文】
Kazuki Komatsu, Takanori Hattori, Stefan Klotz, Shinichi Machida, Keishiro Yamashita, Hayate Ito, Hiroki Kobayashi, Tetsuo Irifune, Toru Shinmei, Asami Sano-Furukawa, Hiroyuki Kagi(2024) Hydrogen bond symmetrisation in D2O ice observed by neutron diffraction, Nature Communications, DOI:10.1038/s41467-024-48932-8

【参考HP】
● Nature Communications:https://www.nature.com/ncomms/
● 東京大学HP:https://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/press/10347/
● 愛媛大学プレスリリース:https://www.ehime-u.ac.jp/data_relese/pr_20240627_grc/


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